歯医者で乳歯を抜くのはどんなとき?
生え変わりの抜歯【市川】
検診のあとに「この乳歯は抜いたほうがよさそうですね」と言われ、戸惑ったことはありませんか。乳歯はいずれ抜けるものだと分かっていても、まだ自然に抜けていない歯を歯医者で抜くとなると、「本当に必要なの?」「痛くないかな」「抜いたあと、ちゃんと永久歯は生えてくるの?」と、いくつもの疑問が浮かぶものです。
この記事では、子どもの歯の生え変わりのなかで歯医者で乳歯を抜くのはどんなときかを、抜歯を考える主な場面と、当日の流れ、抜いたあとの過ごし方に分けてご説明します。6歳臼歯が加わって歯の本数が増えていく仕組みは6歳臼歯について解説した記事に、お子さんの定期検診や予防処置は小児歯科のページにまとめています。お子さんの歯の相談先を探しているご家族の参考になれば幸いです。
乳歯の抜歯を考える主な場面
残り方・永久歯の向き・虫歯
生え変わりの乳歯は、ほとんどが自然に抜けていきます。歯医者で抜くことを考えるのは、乳歯がそのまま残ることで、下から出てくる永久歯の向きや時期に影響が出ていそうなとき、または乳歯そのものを残しておけない事情があるときです。日本小児歯科学会も、「むし歯がひどかったり、永久歯が生えても抜けなかったりした乳歯は抜くことがあります。」と説明しています(参照:公益社団法人 日本小児歯科学会「これからの小児歯科医療と保健~8020実践のために~」 https://www.jspd.or.jp/recommendation/article06/ )。代表的な4つの場面を見ていきます。
永久歯が顔を出しているのに乳歯が揺れない
下の前歯でよく見られるのが、乳歯の内側から永久歯が出てきているのに、乳歯がほとんど揺れていない状態です。乳歯の根が溶けずに残っているため、永久歯は本来の場所に進めません。乳歯がまもなく抜けそうなら少し待つこともありますが、揺れが小さいまま数週間たっている場合は、抜いて永久歯の通り道を空けることを考えます。
治療した乳歯の根が溶けずに残っている
大きな虫歯の治療で神経を取った乳歯は、根の吸収がうまく進まないことがあります。日本小児歯科学会は、こうした乳歯では抜ける前に永久歯が横から生えてくることがあるとし、その場合について「この場合は乳歯を抜いてもらいましょう。」と述べています(参照:公益社団法人 日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱 3歳ごろから就学前まで」 https://www.jspd.or.jp/question/until_school/ )。被せ物をした奥の乳歯のまわりから白い歯がのぞいているときは、早めに見せていただきたいサインです。
虫歯が大きく、残しておけない
虫歯が根の深いところまで進み、根の先に膿がたまっている乳歯は、そのままにすると下で育っている永久歯に影響することがあります。治療で残せるかどうかを確かめたうえで、残すことが難しい場合は抜歯を選び、その後の場所の確保を一緒に考えます。
左右の同じ歯と比べて、明らかに長く残っている
反対側の同じ歯はとっくに永久歯に替わっているのに、片方だけ乳歯が揺れずに残っている場合は、その下の永久歯の向きがずれていたり、通り道がふさがれていたりすることがあります。レントゲンで歯ぐきの中を確かめ、乳歯を抜くことで永久歯が出やすくなると考えられる場合に、抜歯をご提案します。
抜歯を勧めないことが多い場面
反対に、乳歯がすでに大きく揺れていて、下から永久歯がまっすぐ出てきている場合は、数日から数週間で自然に抜けることが多いため、歯医者で抜く必要はほとんどありません。また、下に永久歯が控えていないと分かっている乳歯は、虫歯にならないよう大切に使い続けるほうがよいこともあります。抜くかどうかは、歯の揺れ方だけでなく、その歯の役割まで含めて考えます。
「抜く」か「待つ」かを分ける材料
- 乳歯の揺れ方:大きく揺れていれば、自然に抜けるのを待つ余地がある
- レントゲンで見た根の長さ:根が長く残っていれば、自然には抜けにくい
- 永久歯の向きと位置:ずれが大きいほど、早めに通り道を空ける意味がある
- 噛み合わせへの影響:前歯の噛み合わせが逆になりかけていれば、待つ時間は短めに
- お子さんの気持ち:処置への不安が強い場合は、練習の日を設けてから進める
抜歯の当日と、抜いたあとの過ごし方
麻酔・止血・食事・歯みがき
生え変わりの時期の乳歯は根が短くなっていることが多く、抜歯そのものは数分で終わることがほとんどです。ただ、お子さんにとっては初めての経験になることも多いため、当日の流れを事前に知っておくと、保護者の方も声をかけやすくなります。
お口の確認と説明
揺れ方や歯ぐきの状態をもう一度確かめ、どの歯をなぜ抜くのかを、お子さんにも分かる言葉でお話しします。体調がすぐれない日は、無理をせず日を改めます。
必要に応じたレントゲン
根の残り具合や、下にある永久歯との位置関係を確かめます。以前に撮った画像で十分な場合は、新たに撮影しないこともあります。
塗る麻酔と注射の麻酔
まず歯ぐきに塗る麻酔で表面の感覚を鈍くしてから、注射の麻酔を行います。揺れが大きく根がほとんど残っていない歯では、塗る麻酔だけで抜けることもあります。
抜歯と止血の確認
歯を抜いたあとは、ガーゼをかんでもらって血が止まるのを待ちます。出血が落ち着いたことを確かめてから、帰宅後の過ごし方をお伝えします。
家に帰ってからの止血
先に挙げた日本小児歯科学会のページでも、抜いたあとに何度もうがいをしたり傷口を触ったりすると、止まりかけた血がまた出やすくなると注意を促しています。帰宅後に少し血がにじむのはよくあることなので、慌てずに清潔なガーゼや綿を丸めてしばらくしっかりかんでもらい、押さえ直してください。それでも止まらない場合は、ご連絡をお願いします。
抜いた日の過ごし方
麻酔が切れるまで
注射の麻酔をした場合、1〜2時間ほど唇や頬の感覚が鈍い状態が続きます。この間に唇をかんだり、頬の内側を噛んだりしてしまうお子さんが多いため、食事は麻酔が切れてからにし、本人が唇を触っていないか気にかけてあげてください。
食事と入浴
麻酔が切れたら、抜いた場所と反対側で噛めるやわらかい食事から始めます。当日は長湯や激しい運動を控えめにすると、血の巡りが急に良くなって出血がぶり返すのを防ぎやすくなります。
歯みがき
抜いた場所は、その日だけ歯ブラシを当てないようにし、ほかの歯はいつもどおりみがきます。翌日からは、抜いた場所のまわりもやわらかい歯ブラシでやさしくみがいて大丈夫です。
抜いたあとの場所はどうなる?
抜いた直後は歯ぐきに小さなくぼみが残りますが、数日から1週間ほどで表面は落ち着いていきます。下で永久歯が待っている場合は、そのくぼみを通り道にして出てきます。一方、永久歯がまだ深い位置にあるときは、しばらくすき間が空いた状態が続きます。この間に両隣の歯が倒れ込んでくると、永久歯の出口が狭くなるため、次の検診ですき間の幅が保たれているかを確かめます。すき間に舌を押し当てる癖がついていないかも、ご家庭で気にかけてみてください。
抜歯は、生え変わりの乳歯のように一般の歯科医院で行うものから、埋まった歯のように口腔外科の設備が関わるものまで幅があります。抜歯の難しさや麻酔の違いについては、次の記事でご紹介しています。
市川で「抜くか待つか」を
家族で相談するには
抜歯を勧められても、その場ですぐに決める必要はありません。なぜ抜いたほうがよいのか、待った場合に何が起こりうるのか、抜いたあとの見通しはどうか――納得できるまで聞いていただいたうえで、ご家族で決めていただくのが当院の考え方です。市川駅の周辺でお買い物の予定がある日に合わせて、説明だけを聞きに来ていただくこともできます。
お子さんに伝えるときのひと工夫
「痛くないよ」と言い切るよりも、「最初にお薬を塗って、ちょっとチクッとするけど、すぐ終わるよ」と、起こることを正直に伝えるほうが、お子さんは落ち着いて受け止めやすいようです。抜いた歯を持ち帰れることを伝えると、楽しみにして来てくれる子もいます。
当院の小児歯科のご案内
- そよらリーフシティ市川の館内にあり、市川市内からお買い物と合わせて通えます。年中無休で、夕方以降も20時30分まで受け付けています
- 抜歯が必要かどうかは、揺れ方とレントゲンの画像をお見せしながら、抜く場合と待つ場合の両方の見通しをご説明します
- 処置に不安が強いお子さんには、器具に触ってみる日を先に設けるなど、段階を踏んで進めます
- 個室で治療を行うため、保護者の方が手を握ったままそばにいていただけます
- WEBとLINEで予約でき、説明だけを聞くための予約や、きょうだいの同じ日の予約もご相談いただけます
よくある質問
乳歯を抜いたら、すぐに永久歯は生えてきますか?
抜いた歯は持ち帰れますか?
麻酔の注射を嫌がって、口を開けてくれないかもしれません。
抜歯した日は、学校の体育や習い事に参加してもよいですか?
一度に何本も乳歯を抜くことはありますか?
まとめ|歯医者で乳歯を抜くのはどんなとき?
永久歯の出方に影響しそうなときに考える
歯医者で乳歯を抜くのは、永久歯が顔を出しているのに乳歯が揺れないとき、治療した乳歯の根が溶けずに残っているとき、虫歯が大きく残せないとき、左右の同じ歯と比べて明らかに長く残っているときなどです。子どもの歯の生え変わりで抜歯を考える場合は、揺れ方やレントゲンで見た根の長さ、永久歯の向きを確かめたうえで判断し、当日は麻酔を使って短時間で行います。抜いたあとはガーゼでしっかり押さえ、うがいを控えめにして過ごせば、多くの場合は翌日から普段どおりの生活に戻れます。
市川で、乳歯を抜くか待つかで迷っているご家族は、まずはお話を聞きにいらしてください。
乳歯の抜歯を考えるうえでの注意点
注意点
- 記事で紹介した4つの場面は代表的な例で、抜歯が必要かどうかはお子さんごとの状態を確かめて判断します
- レントゲン撮影は、年齢と状態に照らして必要と判断した場合に行い、過去の画像で足りる場合は撮影を控えます
- 麻酔を使う処置のあとは、しびれが残る間に唇や頬をかんで傷つけることがあります
- 抜歯後に、まれに出血が長引く、腫れや痛みが出るといったことがあります。気になる変化があればご連絡ください
- 抜歯のあと永久歯が生えてくるまでの期間には幅があり、場所を保つ装置などを検討する場合は内容によって自由診療になります
おおよその費用
乳歯の抜歯や、その前に行う診察とレントゲン検査は、保険診療で受けていただくのが一般的です。お会計の額は、その日に行った検査や処置の点数をもとに、保険の負担割合を当てはめて計算されるため、撮影の有無や抜く本数によって変わります。市川市の子ども医療費助成の対象となるお子さんは、受給券を提示していただくことで、窓口の負担が助成の内容に沿って軽くなります。
保険診療の会計も、現金と並んでクレジットカードで済ませていただくことができます。
記載理由
医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)の内容に照らして、乳歯の抜歯を勧められて迷っている保護者の方が、抜歯を考える場面と当日の流れを知ったうえで判断できるよう、この記事をお届けしています。
※乳歯の根の吸収の進み方や、抜歯後に永久歯が生えるまでの期間には個人差があります。
小児歯科の関連記事
-
監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長 村上 翔 - 私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。見た目が似ている乳歯でも、抜いたほうがよいか、自然に抜けるのを待てるかは、根の吸収の進み具合で変わります。抜歯を勧められて迷うときは、理由と見通しを歯科医院で確かめてください。
患者様の満足度調査を
実施しております。
少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。
日本⻭科医療評価機構は、ネットで⻭医者を検索してみたが、どこに行けばいいか分からない、 診療時間や場所のメリットだけではなく、本当に信頼して通える⻭医者を探したい、 そんな患者様のために本当に信頼して通える⻭科医院を評価・認定することを目的とした組織です。