入れ歯の種類とは?
総入れ歯と部分入れ歯・保険と自費の違い【市川】
家族の会話に「入れ歯」という言葉が出てきたとき、総入れ歯、部分入れ歯、保険、自費、金属床、マグネット、ノンクラスプと、聞き慣れない言葉が次々に登場して戸惑った経験はないでしょうか。市川でご家族の付き添いで来院される方からも、「まず言葉の意味から知りたい」「種類がどう分かれているのか、全体の地図がほしい」というご相談をよくいただきます。
この記事では、入れ歯の種類を「どう分かれているか」という視点で整理します。入れ歯を構成する3つの部品を知ったうえで、補う範囲・保険か自費か・床の素材・固定の方法という4つの分け方を押さえれば、どんな名前の入れ歯が出てきても「これはどの分け方の話か」が分かるようになります。総入れ歯と部分入れ歯の違い、保険と自費の違いも、この地図の上で説明していきます。
入れ歯とは何か|
3つの部品と「取り外す」という共通点
入れ歯は、歯科では「義歯」と呼ばれます。失った歯の代わりに口の中に入れる人工の装置で、ご自身で取り外しができることが、ブリッジやインプラントと異なる最大の特徴です。公益社団法人日本補綴歯科学会は、失った歯や噛み合わせを補って口の機能を回復させる分野を補綴歯科と呼び、クラウン(被せ物)や入れ歯、インプラントなどを総称して補綴装置と説明しています(参照:公益社団法人日本補綴歯科学会「補綴歯科ってどんな治療?」 https://www.hotetsu.com/about.php )。入れ歯は、この補綴装置のうち「取り外せるもの」にあたります。
入れ歯を作っている3つの部品
どんな種類の入れ歯も、次の3つの部品の組み合わせでできています。種類の名前は、この3つのどこに何を使っているかで付けられていることがほとんどです。
- 人工歯|失った歯の代わりになる部分。樹脂や陶材でできており、噛む・見せるという歯の役割を担う
- 床(しょう)|歯ぐきの上に乗る土台の部分。ピンク色の樹脂や金属で作られ、人工歯を支えて噛む力を歯ぐきに伝える
- 固定の仕組み|入れ歯を口の中に留める部分。残った歯にかけるバネ、歯ぐき色の樹脂、磁石、インプラントなど方法はさまざま
たとえば「金属床」は床に金属を使った入れ歯、「ノンクラスプデンチャー」はクラスプ(バネ)を使わずに固定する入れ歯、「マグネットデンチャー」は磁石で固定する入れ歯です。名前の由来が部品にあると分かるだけで、種類の話がずいぶん聞き取りやすくなります。
入れ歯・ブリッジ・インプラントの違いは「取り外せるか」
失った歯を補う方法は入れ歯のほかにもあります。両隣の歯を土台にして固定するブリッジと、顎の骨に人工の歯根を埋めるインプラントです。この2つは口の中に固定されて外せないのに対し、入れ歯は毎日外して洗います。取り外せることは、清掃や修理がしやすいという利点であると同時に、慣れが要るという性質でもあります。3つの方法の違いと選び方は、この記事の主題ではないため、当院のインプラントのページと、7項目をまとめた記事に譲ります。
入れ歯を使う人はどれくらいいるのか
入れ歯は高齢の方のもの、というイメージを持たれがちですが、年齢が上がるにつれて身近になる装置であることは統計にも表れています。厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、年齢層ごとの歯科治療の内容は、14歳以下では虫歯の治療が中心なのに対し、75歳以上になると歯の補綴(義歯など)の治療が4割を超えると示されています(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の治療の流れ」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-004.html )。ご家族の中に入れ歯を使う方がいるのは、決して珍しいことではありません。
入れ歯の種類は
4つの分け方で整理できる
入れ歯の種類の名前がややこしく感じられるのは、「分け方が違うもの」が同じ列に並んでいるからです。総入れ歯と金属床は同じ列に並ぶ言葉ではなく、前者は補う範囲、後者は床の素材の話です。ここでは4つの分け方を1つずつ見ていきます。
4つの分け方の一覧
| 分け方 | 選択肢 | 何が変わるか |
|---|---|---|
| 分け方:①補う範囲 | 選択肢:総入れ歯(全部床義歯)/部分入れ歯(部分床義歯) | 何が変わるか:残っている歯があるかどうか。支えの取り方と、固定の方法の選択肢 |
| 分け方:②保険か自費か | 選択肢:保険診療の入れ歯/自由診療の入れ歯 | 何が変わるか:使える材料と設計の範囲、費用の決まり方 |
| 分け方:③床の素材 | 選択肢:樹脂(レジン)/金属/樹脂にシリコンの裏打ち | 何が変わるか:厚み、重さ、温度の伝わり方、当たりの柔らかさ、手入れの方法 |
| 分け方:④固定の方法 | 選択肢:金属のバネ/歯ぐき色の樹脂(バネなし)/磁石/インプラント/歯ぐきへの吸着(総入れ歯) | 何が変わるか:外れにくさ、見た目、残った歯への負担、手術の有無 |
1つの入れ歯は、この4つの分け方それぞれで1つずつ選択肢を持っています。「部分入れ歯で、自費で、床は金属、固定は磁石」のように、4つの答えを並べると、その入れ歯の正体が言葉で言い表せます。歯科医院で種類を勧められたときは、「それは4つのうちどの分け方の話ですか」と聞いていただくと、説明がかみ合いやすくなります。
①補う範囲|総入れ歯と部分入れ歯の違い
歯が1本も残っていない顎に入れるのが総入れ歯、1本でも残っている顎に入れるのが部分入れ歯です。本数で区切られているわけではなく、残っている歯があるかないかで決まります。総入れ歯は残った歯がないため、歯ぐきの粘膜に吸い付く力と噛み合わせのバランスで安定させます。部分入れ歯は残った歯を支えに使えるため、固定の方法にバネ・樹脂・磁石といった選択肢が生まれます。上下で状況が違うことも多く、上は総入れ歯、下は部分入れ歯という組み合わせも珍しくありません。
②保険か自費か|材料と設計の範囲が違う
保険診療の入れ歯は、使える材料と設計があらかじめ決められており、床は樹脂、部分入れ歯の固定は金属のバネが基本です。費用を抑えて噛む機能を回復できる一方、薄さや見た目には制約があります。自由診療の入れ歯は、床の素材や固定の方法、人工歯の材質を目的に合わせて選べます。どちらが良い・悪いという関係ではなく、保険は「機能の回復に必要な範囲」を、自費は「そこに加えたい要素」を選ぶものだと考えると、両者の位置づけがつかめます。人工歯そのものにも材質の違いがありますが、それは細かな話になるので診査のときに聞いていただければ十分です。
③床の素材|樹脂・金属・シリコン
床の素材は、入れ歯の厚みや重さ、食べ物の温度の伝わり方を左右します。樹脂は加工しやすく修理もしやすい反面、強度を保つために厚みが要ります。金属は薄く軽く作れて温度も伝わりやすい反面、費用が高く、金属アレルギーの確認が要ります。樹脂の床の内側にシリコンを貼ったものは、歯ぐきに当たる面が柔らかく、当たりの痛みを和らげることを目的にしています。素材の違いは、使い心地とデメリットの両方に関わるため、それぞれの詳しい説明は親ページでご覧ください。
④固定の方法|バネ・樹脂・磁石・インプラント・吸着
固定の方法は、入れ歯の見た目と外れにくさに直結する分け方です。金属のバネは保険でも作れる基本の方法で、残った歯にひっかけて留めます。歯ぐき色の樹脂で歯を抱え込む方法は、バネが見えないため見た目を重視する方に選ばれます。磁石は、神経を取った歯の根に金属を取り付け、入れ歯に埋めた磁石とくっつけて留める方法です。インプラントは、顎の骨に埋めた人工の歯根に入れ歯を固定する方法で、手術を伴います。総入れ歯の場合は残った歯がないため、歯ぐきへの吸着が基本の固定方法になります。
「向いているのはどれか」は分け方の次の話
4つの分け方を知ると、次に「自分や家族にはどれが向いているのか」を知りたくなります。それは残っている歯の本数や場所、骨と歯ぐきの状態、噛む力、そして何を優先したいかで決まる話で、お口を検査したうえで初めて判断できるものです。この記事で押さえていただきたいのは、選ぶ前の段階として「種類の名前がどの分け方に属するか」が分かる、という地図の部分です。祖父母の入れ歯の噛みにくさに気づくサインなど、家族で見守る視点は噛み合わせの記事にも書いていますので、あわせてご覧ください。
市川で家族の入れ歯について相談するなら|
言葉が分かったあとに聞くこと
入れ歯の言葉の意味が分かると、歯科医院での相談で聞くべきことも見えてきます。当院では、ご本人だけでなく付き添いのご家族にも同じ説明を聞いていただけるよう、診療室にご一緒に入っていただくことができます。市川でご家族の入れ歯について調べている方は、「どの分け方の、どの選択肢を、なぜ勧めるのか」を聞いていただくと、説明が整理されて受け取れると思います。
相談のときに聞いておきたい4つのこと
- 残っている歯は何本で、そのうち支えに使える歯はどれか(①補う範囲と④固定の方法に関わる)
- 保険で作る場合と自費で作る場合で、設計はどう変わるか(②保険か自費かに関わる)
- 床の素材を変えると、使い心地と費用はどう変わるか(③床の素材に関わる)
- 完成までの回数と、完成後の調整の見通しはどうか(どの種類にも共通する)
市川での通い方と院内のご案内
- 市川駅南口を出て徒歩7分ほど、そよらリーフシティ市川の2階が当院です。休みの日を設けず、昼の休憩も挟まずに夜20時30分まで診療しているので、ご家族の予定に合わせて付き添いの来院日を選べます
- 残っている歯と顎の骨の状態はレントゲンで確認し、必要に応じて院内の歯科用CTで詳しく調べます
- 個室の診療室ですので、ご本人と付き添いの方が一緒に説明を聞き、その場で質問していただけます
- 今お使いの入れ歯があれば、お持ちいただくとどの種類にあたるかをその場でご説明できます
- 各種保険に対応しています。自費の入れ歯を選ぶ場合のお支払い方法は、見積りと一緒にご案内します
よくある質問
「義歯」と「入れ歯」は同じものですか?
総入れ歯と部分入れ歯は、残っている歯が何本以下だと総入れ歯になりますか?
保険の入れ歯と自費の入れ歯は、材料だけが違うのですか?
家族が「金属床」と「マグネット」を勧められたと言っています。どういう意味ですか?
子どもが祖父母の入れ歯を見て「なぜ外せるの」と聞きました。どう説明すればいいですか?
まとめ|入れ歯の種類は4つの分け方で読み解ける
入れ歯の種類は、人工歯・床・固定の仕組みという3つの部品のどこに何を使うかで名前が付けられ、補う範囲(総入れ歯と部分入れ歯)、保険か自費か、床の素材、固定の方法という4つの分け方で整理できます。金属床は床の素材、マグネットやノンクラスプは固定の方法というように、名前がどの分け方に属するかが分かれば、種類の説明はぐっと聞き取りやすくなります。
どれが向いているかは、検査をしたうえで決まる次の段階の話です。市川でご自身やご家族の入れ歯について調べている方は、まず言葉の地図を持ったうえで、お口の状態を確かめにいらしてください。
自由診療の副作用とリスク
副作用とリスク
- 入れ歯は取り外し式の装置であるため、種類を問わず装着当初は違和感や話しにくさが出ることがあり、慣れるまでに複数回の調整が必要です
- 部分入れ歯では、留め具をかけた歯に負担が集中し、虫歯や歯周病が進みやすくなることがあります
- 金属床義歯や磁性アタッチメントは金属を含むため、アレルギー体質の方は事前の確認が要ります
- ノンクラスプデンチャーは熱で変形しやすく、修理や増歯に制限があります。シリコンデンチャーの裏打ちは経年で劣化し、貼り替えが必要です
- 磁性アタッチメントはMRI検査の前に申告が要ることがあります。インプラントで固定するタイプは手術が前提で、骨や体の状態が条件に合わないと選べません
- この記事の分類は一般的な整理であり、どの種類が合うかは検査のうえで個別に判断されます。使い心地の改善をお約束するものではありません
おおよその費用
保険の入れ歯なら、国が定めた点数に負担割合を乗じた金額が窓口での支払いです。自費の入れ歯の当院料金(税抜)は次のとおりです。金属床義歯(片顎)300,000円。ノンクラスプデンチャー(バネなし)100,000〜200,000円。シリコンデンチャー(裏打ち)100,000〜300,000円。磁性アタッチメント(1部位)50,000円。インプラントオーバーデンチャー(手術を含む)1,000,000円。どの分け方のどの選択肢を組み合わせるかで総額が変わりますので、検査のあとにお見積りをお出しします。お支払いには現金と主要なクレジットカードをお使いいただけ、自費の場合はカード会社の分割払いを利用される方もいます。
記載理由
医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)の考え方に沿って、入れ歯の種類の名前と分け方を正しく理解したうえで、ご自身やご家族に合う選択を歯科医院と相談していただけるよう記載しています。
※装着感や慣れるまでの期間には個人差があります。※料金は税抜の金額です。
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監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長 村上 翔 - 私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。どの種類が合うかは検査の結果をもとに一人ひとり判断されますので、ご自身やご家族の入れ歯で迷う場合は歯科医院での受診をおすすめします。
患者様の満足度調査を
実施しております。
少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。
日本⻭科医療評価機構は、ネットで⻭医者を検索してみたが、どこに行けばいいか分からない、 診療時間や場所のメリットだけではなく、本当に信頼して通える⻭医者を探したい、 そんな患者様のために本当に信頼して通える⻭科医院を評価・認定することを目的とした組織です。