根管治療とは?
歯の根の中で行うことと治療の目的【市川】
歯科医院で「根の治療をしましょう」「根管治療が必要です」と言われたものの、何をされるのかイメージが湧かない。家族が治療を受けることになったけれど、説明をどう聞けばいいか分からない。根管治療とは何をする治療なのか――この記事は、その最初の疑問に市川の歯科医院がお答えする入門編です。
先に結論を言えば、根管治療とは「歯の根の中の感染を取り除いて、歯を抜かずに残すための治療」です。この一文の意味を、歯の構造、治療が必要になる場面、治療の目的、そして治療後の話まで順にほどいていきます。当院の機材や工程の詳しい紹介は根管治療のページにありますので、あわせてご覧ください。
根管治療とは
「歯を残すための治療」
まずは言葉の中身から。「根管(こんかん)」とは、歯の根の中を通る細い管のことです。
歯の中には細い管が通っている
歯は、外側から順にエナメル質・象牙質という硬い層でできており、その中心に神経や血管の通り道である根管があります。太さは場所によって1ミリに満たないほど細く、前歯ではおおむね1本、奥歯では3〜4本と、歯の場所によって数も形も違います。まっすぐな管ばかりではなく、曲がったり枝分かれしたりしていることもあります。この管の中の組織(歯髄)が細菌に侵されたとき、管の中を掃除して立て直すのが根管治療です。
治療が必要になる2つの場面
根管治療の出番は、大きく2つの場面に分かれます。1つめは、深い虫歯などで神経が強い炎症を起こし、ズキズキとした痛みが出ている場面。この場合は炎症を起こした神経を取り除く処置(いわゆる「神経を抜く」治療)を行います。2つめは、すでに神経が死んでしまい、根の先に細菌の感染が広がっている場面。痛みのないまま進んでいることもあり、レントゲンで根の先の影として見つかることもあります。この場合は、根の中の感染物を取り除く感染根管治療が行われます。
目的は「細菌を減らして、再感染を防ぐ」
どちらの場面でも、治療の目的は共通しています。根管の中の細菌をできる限り減らし、再び入り込めないように封じることです。公益社団法人日本歯科保存学会の解説では、根管治療の仕上げとして、生体に無害なゴム状の物質で根管をすき間なく緊密にふさぐ「根管充填」という処置が紹介されています(参照:公益社団法人 日本歯科保存学会「歯科保存とは」 https://www.hozon.or.jp/about/ )。掃除した空間を空けたままにせず封鎖するところまでが、ワンセットの治療です。
治療の考え方と、
「その後」まで含めた全体像
根管治療を理解するうえで、あと2つ知っておきたいことがあります。「なぜ1回で終わらないのか」と「治療後に何が待っているのか」です。この2つを最初に知らないまま通い始めると、途中で通院がつらくなりやすいからです。
複数回に分かれるのは、状態の落ち着きを待つため
根管はとても細く、しかも複雑な形をしています。清掃と消毒を行ったあと、中の状態が落ち着いているかを確かめてから次の工程へ進むため、治療は数回に分けて行われるのが一般的です。焦って一気に詰めてしまうより、状態を見ながら段階を踏むほうが、結果として再発のリスクを抑えられるという考え方です。具体的な工程は根管治療のページの「治療の流れ」で図解していますので、ここでは割愛します。
被せ物までがワンセット
根管治療が終わった歯は、神経を失って水分が減り、削った分だけ薄くもなっています。そのままでは噛む力に耐えられないため、土台を立てて被せ物で全体を覆い、初めて「噛める歯」として復帰します。根の中の治療がゴールではなく、被せ物の装着までが根管治療の実質的な完走地点です。途中でやめてしまうと、残した歯が割れたり再感染したりして、それまでの通院が水の泡になることもあります。マラソンにたとえるなら、根の中の治療はまだ中間地点。表彰台ならぬ被せ物の装着まで走り切って、初めて完走です。
歯を残すことにこだわる理由
「いっそ抜いてしまえば早いのでは」と思われるかもしれません。しかし、自分の歯には人工物では置き換えにくい価値があります。
| 比較の視点 | 歯を残せた場合 | 歯を失った場合 |
|---|---|---|
| 比較の視点:噛んだときの感覚 | 歯を残せた場合:歯の根が力を受け止め、自然な感覚が残りやすい | 歯を失った場合:入れ歯・ブリッジ・インプラントで補うが、感覚は歯と同一ではない |
| 比較の視点:まわりの歯への影響 | 歯を残せた場合:隣の歯に負担をかけずに済む | 歯を失った場合:補い方によっては隣の歯を削る・支えにする必要が出る |
| 比較の視点:治療の広がり | 歯を残せた場合:その歯の中だけで完結する | 歯を失った場合:失った場所を補う新たな治療の計画が必要になる |
公益社団法人日本歯科保存学会も、歯を抜かずに保ち、機能させ続けることを歯科保存治療の柱に据えており、根管治療はその中心にある治療です。もちろん、歯の状態によっては残せない場合もあります。そのときは抜歯後の選択肢も含めてご説明しますが、出発点はいつでも「残せるかどうかを検討すること」です。
診療室でよく聞く言葉のミニ辞典
根管治療の説明には専門用語が続きます。よく登場する4つだけ、意味をつかんでおきましょう。
- 抜髄(ばつずい):炎症を起こした神経(歯髄)を根管から取り除く処置。「神経を抜く」の正式な呼び名です
- 感染根管治療:神経が死んだあと、根管に広がった細菌や汚染物を取り除く治療。痛みがない歯にも行われます
- 根管充填(こんかんじゅうてん):清掃を終えた根管に材料をすき間なく詰めて封じる、仕上げの処置です
- 仮封(かふう):治療の合間に根管へ細菌が入らないよう、仮のふたで閉じておくこと。取れたら早めの連絡が要ります
説明の途中で意味の分からない言葉が出てきたら、その場で聞き直して構いません。当院では模型や画像を使いながら、専門用語をなるべく日常の言葉に置き換えてご説明しています。
初回までに準備しておくとよいこと
初めての根管治療を落ち着いて迎えるために、来院前にできる準備が3つあります。1つめは、痛みの経過を思い出せる範囲でメモしておくこと。いつから、どんなときに痛むかは診断の重要な材料です。2つめは、お薬手帳を持参すること。持病やお薬によって配慮が要る場合があるためです。3つめは、食事を済ませてくるか、治療後の食事の予定を立てておくこと。麻酔をした日は感覚が戻るまで食事を控えていただくため、空腹のまま長い治療を受けると帰り道がつらくなります。準備といってもこの程度で、特別な持ち物は必要ありません。
治療をこわがるお子さんやご家族がいる場合
根管治療は数回の通院が続くため、小さなお子さんや治療が苦手な方にとってはハードルの高い治療に見えます。当院では、最初に治療の全体像を家族みんなで共有し、「今日はどこまで進めるか」を毎回確認しながら進めるスタイルを取っています。ゴールまでの地図があるだけで、通院の負担感は思いのほか軽くなるものです。途中で不安になったら、遠慮なくその気持ちを聞かせてください。
市川で「根の治療」と言われて
戸惑っている方へ
初めての根管治療は、分からない言葉が続くだけで不安が膨らみます。逆に言えば、言葉の意味と治療の地図さえ手に入れば、不安の大半は解消できるということです。市川エリアの当院では、初めての方とそのご家族に向けて、次のような体制を整えています。
- 休診日も昼休みもなく夜20時30分まで開けており、市川駅からの距離も近いため、お子さんの送り迎えや仕事の前後に通院の予定を組みやすくなっています
- 治療の内容・想定回数・起こりうることは、口頭だけでなく文書でもお渡しし、ご家族と相談してから始めていただけます
- 歯科用CTとマイクロスコープを備え、根の数や形、根の先の状態を確認したうえで治療の見通しをご説明します
- お子さんからシニアの方まで、家族単位での通院に対応しています。同じ時間帯にご家族の検診を組み合わせることも可能です
- ご予約はネット・LINEから24時間受け付けています。治療中の歯の仮のふたが取れたなど、急なご相談はお電話でどうぞ
よくある質問
子どもの乳歯にも根管治療はあるのですか?
「神経を取る」ことと「歯を抜く」ことは、何が違うのですか?
治療の途中の歯で、食事のときに噛んでも大丈夫ですか?
どのくらい深い虫歯だと、根管治療になるのですか?
根管治療をした歯は、その後どれくらい使えますか?
まとめ|根管治療とは?――根の中の感染を絶ち、自分の歯で噛み続けるための治療
根管治療とは、歯の中の細い管(根管)から感染した組織を取り除き、清掃・消毒してすき間なく封じることで、歯を抜かずに残すための治療です。神経の炎症で痛むときと、神経が死んで根の先に感染が広がったときの2つの場面で必要になり、数回の通院と、最後の土台・被せ物までがワンセットになります。
自分の歯で噛み続けられるかどうかの分かれ道になる治療だからこそ、疑問を残したまま始める必要はありません。市川で「根の治療」と言われて戸惑ったら、説明を聞き直すだけのつもりで、当院の診察においでください。
根管治療を受けるうえでの注意点
注意点
- 治療が必要かどうか、神経を残せるかどうかは、診察と検査のうえで歯ごとに判断されます。本記事は治療の一般的な説明です
- 治療中や治療後に、一時的な痛み・違和感・腫れが出ることがあります。続く場合は次の予約を待たずご連絡ください
- 通院を途中でやめると、再感染や歯の破損により抜歯に至ることがあります。予定が合わなくなったときは中断ではなく日程のご相談を
- 歯の状態によっては根管治療では残せず、抜歯や外科的処置をご提案する場合があります
- MTAおよびマイクロスコープによる自費根管治療は自由診療にあたり、治療結果をお約束するものではありません
おおよその費用
根管治療は多くの場合健康保険が適用され、処置の内容に応じた自己負担分をその都度お支払いいただきます。自費の選択肢として、マイクロスコープを用いた自費根管治療なら50,000〜100,000円、MTAなら10,000円(税抜)でご案内しています。最後に入れる土台・被せ物の費用は別途です。
ご精算には現金のほかクレジットカードもお使いいただけます。
記載理由
医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)に照らし、初めて根管治療を受ける方とそのご家族が、治療の目的と流れを理解して落ち着いて治療に臨めるように記載しています。
※治療の内容・回数・経過には個人差があります。
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監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長 村上 翔 - 私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際の診断と治療方針は検査のうえで個別に決まりますので、歯の痛みや治療のお悩みは自己判断せず、歯科医院へご相談ください。
患者様の満足度調査を
実施しております。
少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。
日本⻭科医療評価機構は、ネットで⻭医者を検索してみたが、どこに行けばいいか分からない、 診療時間や場所のメリットだけではなく、本当に信頼して通える⻭医者を探したい、 そんな患者様のために本当に信頼して通える⻭科医院を評価・認定することを目的とした組織です。